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| 2030年、ニューヨークの主役はこの二人。リンドーアとソトが牽引するメッツの新時代。 |
ニューヨーク・メッツが今、大きな転換期を迎えています。
オーナーのスティーブ・コーエン氏は、個人資産1兆円を超えると言われる超大物実業家。そんな彼が率いるメッツが今オフに見せた動きは、多くのファンを驚かせました。
一見すると「主力を手放す消極的な動き」に見えますが、ここからは筆者の推測を交えつつ、その裏に隠された「2030年へのシナリオ」を読み解いていきます。
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| チームの顔だったアロンゾの移籍。 |
1. なぜ「看板選手」を次々と手放したのか?
今オフ、メッツはチームの顔だったピート・アロンゾ選手をはじめ、ブランドン・ニモ選手、エドウィン・ディアス選手といった主力スターたちを放出しました。
彼らは実力十分ですが、共通しているのは「長期(5年〜10年)の超高額契約」を求めていたことです。これは、将来的に選手が衰えた際、多額の給料だけを払い続ける「負債」になるリスクを排除しようとしているのではないか、と推測できます。
2. 2030年のコア:リンドーアとソトの「看板」
一方で、メッツはすべてのスターを手放したわけではありません。フランシスコ・リンドーア選手とホアン・ソト選手という、球界を代表する二大スターには巨額の長期契約を維持・投資しています。
2030年まで変わらぬ「顔」:
彼らは2030年時点でも、チームの核として、そしてマーケティングの顔として活躍し続けることが期待されています。他のポジションを流動的に保つ一方で、この二人を軸に据えることで、チームの格を維持しているのです。
3. 戦略的な「短期契約」:計算された柔軟性
一方で、新たに獲得したデビン・ウィリアムズ、マーカス・セミエン、ホルヘ・ポランコ、ルーク・ウィーバーといった実力者たちは、すべて2〜3年の短期契約です。
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| 短期契約で獲得した実力者たちは、2030年までの「架け橋」となる。 |
彼らの契約は、ターゲットイヤーである2030年までには終了します。その時、メッツには「高額な給料を払わなければならないベテラン」がいなくなり、圧倒的な**資金的余裕(Flexibility)**が生まれるはずです。
4. すでにメジャーで戦う若手と、控える有望株たち
現在のメッツで最も注目すべきは、すでにメジャーで活躍している若手たちの「試験期間」です。
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| 2030年に「スター」になれるかを試されている若手たち。 |
フランシスコ・アルバレス、マーク・ビエントス、ブレット・ベイティ、ロニー・マウリシオ、ルイサンヘル・アクーニャといった面々が、リンドーアやソトに並ぶスターに成長できるかが鍵となります。
さらに、下部組織にもジェット・ウィリアムズ、ブランドン・スプロート、ジョナ・トン、カーソン・ベンジ、ノーラン・マクリーンといった全米屈指の才能が控えています。
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| マイナーリーグで輝くジョナ・トンやスプロートら、将来の柱たち。 |
5. 「カジノ・エンタメ構想」と球団価値の最大化
コーエン氏が描く最大のビジョンは、本拠地周辺の再開発計画「メトロポリタン・パーク」です。
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| 2030年に完成予定の巨大施設。球団価値を極限まで高めるための布石。 |
2030年に巨大施設が完成し、チームも「勝てる組織」になっていれば、球団の価値は今とは比べものにならないほど高まります。コーエン氏はそのタイミングで、高値での売却や新たな投資家を招き入れることを視野に入れている――そんなビジネスマンとしての冷徹な計算が、パドレスの失敗を教訓にした現在の動きに繋がっているのではないでしょうか。
結論:2030年、メッツは「世界一リッチな球団」へ
これらはあくまで推測ですが、今のメッツは「今すぐの勝利」を少しだけ我慢し、**「2030年に圧倒的な王者として君臨し、ビジネスとしても大成功を収めること」**を選んだように見えます。2030年、クイーンズの街がカジノやホテルで賑わい、その中心でリンドーアやソト、そして成長した若手たちがトロフィーを掲げる姿は、あながち夢物語ではないかもしれません。





